北アルプス焼岳と浅間山の状況(24日)

長野と岐阜の県境にある北アルプスの焼岳では、山頂付近を震源とする火山性地震が多い状態が続いています。
気象庁は今後さらに地震が増加した場合、噴火警戒レベルを火口周辺への立ち入りを規制する「2」に引き上げる可能性があるとして、今後の情報に注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、焼岳の火山性地震は、今月14日から23日までの10日間で75回となっていて、24日は午後3時までに6回観測されています。
衛星を使った観測では、山頂付近の緩やかな膨張を示すと考えられる変化が続いています。
噴火警戒レベルについては、活火山であることに留意を求める「1」を継続しているものの、火山性地震が今後さらに増加した場合、火口周辺への立ち入りを規制する「2」に引き上げる可能性があるとしています。
気象庁は、山頂付近を含む想定火口域では、突発的に火山ガスなどが噴出するおそれがあるとして、登山する際は火山活動の異変に注意するほか、ヘルメットの着用など安全対策を行い、噴気孔の近くにはとどまらないよう呼びかけています。

一方、噴火警戒レベルが「2」に引き上げられている浅間山では、ことし3月中旬から確認されていた山体の膨張を示すと考えられる傾斜変動が4月下旬から鈍化し、先月以降は停滞しています。
火山性地震は4月中旬から増加していて、22日は77回、23日は72回、24日は午後3時までに39回となっています。
また、火山ガスの放出量は去年3月以前に比べて多い状態が続いています。
気象庁は、山頂の火口からおおむね2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するとともに、地元自治体などの指示に従い、危険な地域には立ち入らないよう呼びかけています。