リニア中央新幹線 長野県内沿線でも地下水への影響懸念する声

岐阜県内にあるリニア中央新幹線のトンネル工事の現場周辺で井戸などの水位が低下している問題について、JR東海は工事を中断して地質調査を行う方針を示しました。
これを受けて飯田市など長野県内の沿線でも地下水に影響がないよう、工事の進め方の検証やこれまで以上に丁寧な説明を会社側に求める声が強まるものとみられます。

岐阜県瑞浪市にあるリニア中央新幹線のトンネル工事の現場では2つの区間で地下水が湧き出し、周辺にある井戸やため池、それに共同水源の水位の低下が確認されました。
これについてJR東海が16日会見を開き、問題となっている現場では、今後、トンネル掘削のルートが水田が広がる盆地の地下を通るため、その手前で工事を中断して地質調査を行う方針を示しました。
そのうえで、専門家の意見を聞きながら、工事を進めるにあたっての追加対策が必要かを検討する考えを示しました。
こうした中、長野県内はルートの9割以上がトンネルで、このうち飯田市では2つのトンネル工事が計画されています。
飯田市によりますと、水資源対策として工事の開始前から河川などの水量の調査が行われていて、これまで、水量は減少していないということです。
一方で、来月以降、県内の沿線各地では、今後の工事のスケジュールなどに関するJR東海の住民説明会が開かれる予定です。
沿線の住民の中には地下水への影響を懸念する人もいることから、工事の進め方の検証やこれまで以上に丁寧な説明を会社側に求める声が強まるものとみられます。