新型コロナ「5類」移行1年“病院の体制すぐには変えられず”

新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行してから8日で1年です。
国は、コロナ対応を通常の医療体制に戻していますが、依然、多くの発熱患者が訪れる県内の病院からは、コロナ禍でとってきた特別な体制をすぐには変えられないという声が上がっています。

厚生労働省は、去年5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「5類」に移行したあと、段階的に通常の医療体制に戻していき、ことし3月いっぱいで治療薬の補助やワクチンの無料接種などの特例的な支援を廃止しました。
しかし、消化器系を専門とする長野市の「東口病院」では、4年前からレンタル料を払って設置しているプレハブの「発熱外来」や、車内での検査を今も続けています。
毎月、20人から30人ほど訪れる発熱患者を、ほかの来院者と同じ待合室で待たせるわけにはいかず、「発熱外来」での対応を続けざるを得ないとしています。
県の医師会によりますと、「発熱外来」は、県内の多くの病院が残していますが、看護士などの人手が不足するなか、大きな負担となっているということです。
一方で、発熱しても病院に来ない人や、先月から(4月)自己負担額が大きくなったコロナ治療薬の処方を断る人もいるため、感染の実態把握は難しくなっているとしています。
東口病院の宗像康博院長は「コロナ禍でとってきた対応をやめるのは難しく、ずっとウィズコロナでやっていくしかないと思う。この1年、宴会などの人が集まる行事が増えているが、コロナは感染力が強いので自己防衛をしてもらいたい」と話しています。