長野県の企業“正社員の採用予定ある”4年ぶり前年度下回る

物価高による経営環境の悪化などに伴って、今年度、正社員の採用予定があると答えた県内企業の割合が、4年ぶりに前の年度を下回ったことが民間の調査で分かりました。

これは民間の信用調査会社、「帝国データバンク」が、ことし2月、県内のおよそ620社を対象に行い、45%余りの282社から回答を得ました。
それによりますと今年度、正社員の採用予定があると答えた県内企業の割合は64.2%で、前の年度より2.7ポイント減りました。
前の年度を下回るのは、新型コロナの感染が拡大した2020年度以来4年ぶりです。
背景には、長引く物価高に伴う経営環境の悪化や、従業員の賃上げに踏み切るための原資を確保するため、採用を抑制していることなどがあるとしています。
一方、時間外労働の上限規制が適用されている物流の2024年問題を背景に、「運輸・倉庫」では、正社員の採用予定があると答えた企業の割合が、前の年度より27.5ポイント増えています。
今後の雇用動向について帝国データバンク長野支店は「中小企業では、社員を『採用したい』という意向はあるものの、条件面で大企業に負けてしまい人手不足が深刻化しているケースもある。将来的な労働力不足も懸念される中、外国人や高齢者など多様な人材を採用することが一段と求められる」と話しています。