戦争で亡くなった画学生作品展示する“無言館”で成人式 上田

太平洋戦争で命を落とした画学生たちの作品を展示する長野県上田市の美術館「無言館」で、29日成人式が行われ、映画監督の周防正行さんから若者たちに手紙と励ましのことばが贈られました。

上田市にある美術館「無言館」では、戦争により志半ばで命を落とした画学生たちと向き合い、自分を見つめ直す機会にしてほしいと、若者を募集して成人式を行っていて、29日は長野県内や埼玉県などから16人が参加しました。
ことしは映画監督の周防正行さんがゲストとして招かれ、若者一人一人に激励の手紙を手渡しました。
そして、周防さんは「『無言館』には当時の若者の叫びや祈りがあります。これから生きていく中で、迷ったり絶望した時にもう1度無言館を訪れて、きょうの成人式で感じた気持ちを思い出して下さい」とあいさつしました。
このあと、「無言館」の窪島誠一郎館主は「画学生がキャンバスに残した声なき声にそっと耳を澄ましてほしい。画学生たちは声高らかに告げるだろう。『心からおめでとう』と」と参加者に語りかけていました。
埼玉県から参加した学生は「画学生の絵を見て、生きることの重みを感じました。29日、式に出席して自分のやりたいことができる大人になりたいと思いました」と話していました。