「松本パルコ」の後利用 市が公共施設として入る計画白紙に

来年2月に閉店する松本市の「松本パルコ」の後利用をめぐる市とパルコ側の協議が打ち切られることになりました。
市が打ち出していた上層階を借り上げて公共施設とする計画は白紙となり、閉店後の活用方法はパルコ側に委ねられることになります。

これは、19日、松本市の臥雲義尚市長が臨時の記者会見で明らかにしたものです。
来年2月に閉店する松本パルコの後利用をめぐっては、松本市が上層階を年間3億円程度で20年借り上げて公共施設とし、下層階は商業施設として再開させる計画を示し、パルコ側と協議を進めてきました。
しかしパルコ側が先月の市長選挙でこの計画への賛否が分かれたことや、来年2月の閉店までに市側の手続きが進むか見通せないことなどを理由に、17日協議の打ち切りを伝えてきたということです。
これで後利用の計画は白紙に戻り、閉店後の活用方法はパルコ側に委ねられることになります。
臥雲市長は会見で、「極めて残念だが、市民の共感と納得がないまま見切り発車で進めることはできず計画断念はやむを得ない」と述べました。
そのうえで、市が土地ごと買い取って活用する案については、「地権者が複数人いることなどから簡単に取り引きできる状況ではない」と否定しました。
協議打ち切りについて、松本市商工会議所の赤羽眞太郎会頭は「突然のことでびっくりしている。今後についてはこれから考えることになるが、中心市街地全体の活性化を考えて市や商店街連盟と協力して取り組んでいきたい」とコメントしています。
松本パルコの後利用をめぐる協議が打ち切られ、計画が白紙となったことについて市民に聞きました。
松本市の専門学校に通う女性は、「若い人もよく訪れる場所なので商業施設として残ってほしい。さら地になってしまったらさみしいです」と話していました。
また、松本パルコの向かいにあるアクセサリーショップの店長は、「公共施設にする案はあまり納得がいっていなかった。パルコ側に任せてにぎわいのある場所のままであってほしい」と話していました。