長野 伊那市で地元出身の画家 池上秀畝の生誕150年企画展

現在の伊那市出身の日本画家、池上秀畝の生誕150年を記念した企画展が伊那市で開かれています。

池上秀畝は、明治7年に現在の伊那市高遠町に生まれ、昭和にかけて活躍した日本画家で、花鳥画から人物画まで幅広いジャンルを得意としました。
池上の生誕150年を記念した企画展は、県内外の6つの美術館や博物館で同時開催されていて、伊那市の高遠町歴史博物館では、日本画やスケッチなどおよそ70点が展示されています。
このうち、楠木正成が息子と別れる太平記の名場面を描いた作品とその下絵は、ふだん、伊那小学校に保管されています。
下絵には正成の顔の向きやかぶとの位置を修正した跡が残っていて、作品を仕上げるまでの模索がうかがえます。
また、東京で暮らしていた池上が地元の人からの依頼で高遠城全体を描いた掛け軸は、空から鳥の目で見たように城郭の細部まで表現されています。
博物館の福澤浩之学芸員は「下絵やスケッチなど地域の人との交流の中で描かれた作品を楽しんでほしい」と話していました。
この企画展は展示内容を一部変えながら6月16日まで開かれる予定です。