戦没者遺骨返還 厚労省 信大医学部と連携協定 鑑定増加へ

戦没者の遺骨を収集し遺族に返還する事業に関連して、厚生労働省は今月、外部の研究機関とは初めてとなる連携協定を信州大学医学部と結びました。
協定に基づき、信州大学医学部はDNA鑑定の研究を行う新たな組織を設けるほか、戦没者の遺骨の鑑定件数を大幅に増やしたいとしています。

厚生労働省によりますと、太平洋戦争で海外で戦没した人はおよそ240万人で、半数近いおよそ112万人の遺骨はいまだ収集されていないことから、2029年度末までを遺骨収集事業の集中実施期間としています。
そのうえで、収集した遺骨の身元を特定し遺族への返還を進めようと、今月、外部の研究機関とは初めてとなる連携協定を信州大学医学部と結びました。
この協定に基づき、信州大学医学部では、保存状態のよくない遺骨からのDNA抽出や解析技術の研究組織を医学部内に新設するほか、遺骨の鑑定に当たる人材を学内で育成するとしています。
さらに、これまで年間100件ほどだった戦没者の遺骨のDNA鑑定の件数を年間300件から400件程度まで増やしたいとしています。
信州大学医学部は「大学の社会貢献の一環にもつながるので、国の取り組みに協力していきたい」とコメントしています。