野沢温泉村 外国人の不動産投資に伴う住宅価格上昇で対策へ

長野県にあるスキー場と温泉が人気の村では、インバウンド需要を取り込もうと、外国人投資家による不動産投資が活発になり、村の中心部の住宅価格が上昇しています。
このため、移住者などが購入しやすい価格の住宅が不足しているとして、村が対策に乗り出しています。

観光客に人気の野沢温泉村では、インバウンド需要を取り込もうと、外国人投資家が、空き家に加え、廃業を予定している旅館などを購入し、宿泊施設や飲食店をオープンする動きが広がっています。
このため、住宅地の地価の平均が、去年、3年ぶりに上昇に転じ、ことしも13%の伸びとなりました。
外国人投資家の1人でイギリス人のピーター・ダグラスさんは、村内で14の宿泊施設を経営していて、このうち去年は、1泊、最大17万円ほどする富裕層向けを新たにオープンさせました。
本格的なスキーシーズンとなることし1月と2月は、経営するすべての宿泊施設でほぼ満室だったとしていて、今後もインバウンド需要を取り込みたいと考える投資家が増えるとみています。
ピーターさんは、「野沢温泉村は、もともと有名な観光地だが、人気が高まっている。ビジネスをしたいという外国人投資家もどんどん増えているので、村はさらに有名になると思う」と話していました。
一方、活発化する不動産投資に伴って、村の住宅事情に変化が出ています。
野沢温泉村によりますと、温泉街のある村の中心部は、住宅価格が上昇し、移住者などが購入しやすい価格の住宅が不足しているとしています。
このため村は、4億5000万円余りをかけて、移住者などが入居できる集合住宅を2棟建設する計画で、ことし12月からの受け入れを予定しています。
野沢温泉村建設水道課の荒井直喜課長は、「外国人の投資家が、私たちの想定を大きく上回る高い金額で物件を購入しているため、移住者などが購入できる住宅がなくなってきている。村が住宅を整備することで移住や定住をしやすい環境を整えたい」と話していました。