長野県 花粉症対策でスギ人工林の約1割を「重点区域」に指定

花粉症対策として、県はスギの人工林のおよそ1割にあたる7300ヘクタール余りを、伐採や植え替えを集中的に進める「重点区域」に指定しました。
また、花粉が少ない県産のスギの品種「クマスギ」を植え替えに活用できるかなど検討を進めるとしています。

政府は、30年後には花粉の発生量の半減を目指すとする対策を去年決めていて、各都道府県がスギの人工林から伐採や花粉の少ない苗木への植え替えを進める「重点区域」を指定することになっています。
これを受けて、長野県は北信や南信を中心に40市町村の合わせて7397ヘクタールを「重点区域」に指定しました。
これは、県内のスギの人工林のおよそ1割にあたります。
県は、伐採しても土砂災害などのおそれがなく、効率的な伐採や植え替えが可能なエリアを対象に指定したとしています。
「重点区域」では森林組合などに対し伐採や植え替えに国と地方で7割、林道の整備費用も国がおよそ半分をそれぞれ補助するとしていて、伐採したスギの住宅への活用なども促します。
花粉症対策で、県は新年度から花粉の発生量が一般的なスギの10%以下と極めて少ない県産のスギの品種「クマスギ」の増産についても研究を始めることにしています。
県森林づくり推進課は「重点区域の指定は花粉を減らすうえで好ましいと考えている。クマスギを植え替えに活用できるかなど検討を進めていく」としています。