花粉少ない県産「クマスギ」県 増産目指し新年度から研究開始

県は、新年度から、花粉が少ない県産のスギの品種「クマスギ」を効率的に増産できるか研究を始めることになりました。

県林業総合センターは、花粉症対策強化の一環として県内の花粉の飛散量を減らすため、花粉の量がほかのスギと比べて少ない「クマスギ」の増産を目指し、新年度から研究を始めます。
「クマスギ」は、須坂市などを中心に古くから植栽されてきた県産のスギの品種ですが、生産者の高齢化などに伴って近年、ほとんど増産されなくなっていました。
一方で、センターの20年ほど前の調査では、花粉を飛散させる雄花の数が少ないことが分かり、実際の花粉の発生量もほかのスギの10%以下と分かってきています。
センターによりますと、一般的に木を増産するには小さな鉢に挿し木をするなどして苗木にしたうえで山などに移植していますが、新年度から始める効率的な増産を目指す研究でも、この方法が生かせるか検証するとしています。
花粉症対策をめぐって、政府は去年、スギの人工林を10年後に2割程度減少させるなどにより、30年後には花粉の発生量の半減を目指すとする対策を決めています。
こうした対策などを踏まえ、人工林を伐採して植え替える需要も高まるなか、花粉が少ない「クマスギ」に期待が寄せられています。
県林業総合センター育林部の小山泰弘部長は「10年以内にクマスギの増産体制を構築することを目標に取り組んでいきたい」としています。