コハクチョウの「北帰行」始まる 安曇野

白鳥の飛来地として知られる長野県安曇野市では、冬を越した白鳥がふるさとのシベリアへ飛び立つ「北帰行」が始まりました。

長年、観察を続けている団体によりますと、今シーズン飛来したコハクチョウの数は過去30年間で最も少なかったとしています。
安曇野市豊科にある犀川をせき止めたダム湖には、毎年、コハクチョウが越冬のために飛来していますが、2月中旬を迎え、生まれ故郷のシベリアに帰る「北帰行」が3日ほど前から始まりました。
20日朝は晴れて風もなく、日の出とともにコハクチョウが隊列を組んで北へ向かって飛ぶ様子が見られました。
長年、観察を続けている団体、「アルプス白鳥の会」によりますと、今シーズン飛来したコハクチョウの数は、最も多いときで255羽で、過去30年間で最も少なかったということです。
要因について団体は、山形県や新潟県などの飛来地で田んぼに雪が少なく、コハクチョウがえさとしている落ちた稲穂を確保したため、安曇野市まで南下するコハクチョウが減ったとみられるとしています。
「アルプス白鳥の会」の会田仁代表は「今は南風が強い時期なので、北帰行の途中で建物にぶつかるなどのトラブルに見舞われることが多い。シベリアまで無事にたどり着いてほしい」と話していました。