長野県クマ対策 生息エリアを人の生活圏と分け捕獲体制整備へ

クマによる被害が全国で増えるなか、長野県の検討会は、クマの生息エリアを人の生活圏と分ける取り組みを進めつつ、緊急時に迅速に捕獲できる体制を整えていく方針を示しました。

これは、13日、県庁で開かれた専門家などでつくるクマ対策の検討会で、県の鳥獣対策室から示されました。
県内のクマの生息密度は、今年度、全国で最もけが人が多い秋田県に次ぐレベルと推定されるほか、クマの生息域が人里に向けて拡大する傾向にあると指摘されています。
13日示された今後の対策の方向性では、クマの生息数やエサとなる木の実を適切にモニタリングしたうえで、エサとなる物ややぶを取り除くなどしてクマの生息エリアを人の生活圏と分ける取り組みを進めるとしています。
さらに、クマが多く出没する時期には、地域や期間を限定して警報を出すほか、緊急時には市町村の許可で迅速に捕獲できる体制を整えていくとしています。
これについて参加者からは「市町村では被害防止が喫緊の課題で体制整備を急いでほしい」といった意見や、「対策は県の担当部局に限らず横断的にあたってほしい」といった意見が出ていました。
検討会では、13日の意見も踏まえて今年度中に今後の対策の方向性をまとめ、県の対応方針に盛り込むことにしています。
一方、環境省がことし4月にもクマを「指定管理鳥獣」に追加し、捕獲などにかかる費用を支援する方針を表明したことについて、県鳥獣対策室は「県としてはふだんから捕獲を強化する考えはないが、今後、国が示す支援の内容を確認し、必要に応じて県の対応を見直したい」としています。