佐久 伝統の「凍み豆腐」作り 豆腐を凍らせ保存食に

市矢嶋地区では、豆腐を凍らせて保存食にする「凍み豆腐」が、およそ500年受け継がれています。
生産者が減るなか、地元の農事組合法人のメンバーは、地域の伝統食材を残そうと寒さの厳しい、この時期に「凍み豆腐」作りをしています。

佐久市矢嶋地区では、厳しい寒さと乾燥した空気を利用して作る「凍み豆腐」が、およそ500年受け継がれていて、世代を超えて地域で愛される食文化を継承する、文化庁の「100年フード」にも認定されています。
地元の農事組合法人、「矢島いきいき会」は、地域に伝わる食材を残していこうと、耕作放棄地を再生した畑で育てた大豆を使って、毎年、この時期に「凍み豆腐」を作っています。
メンバーは、豆腐を厚さ1センチほどに切り分けたあと、屋外で、ひと晩かけて凍らせてから午前4時半ごろに取り込み、道の駅などで販売するために袋詰めしていました。
佐久市矢嶋地区の「凍み豆腐」作りは、気温がマイナス5度以下で、晴れて乾燥していて、ほとんど風が吹かない日でなければ難しいということです。
矢島いきいき会の小泉淳組合長は、「手間をかけて作っているので、ぜひ味わってほしいです。生産者は減ってしまいましたが、地域の食材を受け継いでいきたいです」と話していました。
「凍み豆腐」は濃厚な味わいが特徴で、みそ汁や煮物をはじめ、さまざまな料理に利用できるということです。