「バックカントリー」でのスキーなどの遭難相次ぐ 注意点は

県内では、先週末からいわゆる「バックカントリー」での遭難が相次いでいます。
いずれも無事に救助されましたが、県は「すばらしい体験ができる反面、危険を伴うことを知っておいてもらいたい」としたうえで、バックカントリーでのスキーなどを行う場合には、万一に備えた十分な装備を持参するよう呼びかけています。

このうち、今月2日には、野沢温泉村にあるスキー場のコース外にあたる毛無山の山林で、スキーなどをしていた男女3人が道に迷い、身動きがとれなくなりました。
警察などが捜索した結果、3人は遭難した翌日の今月3日に救助されました。
また、同じ2日、毛無山の山林では、1人でスノーボードをしていた63歳の大阪府の男性も道に迷い、その後、警察などに救助されました。
このほか、3日には長野市の瑪瑙山の山林で、スキーをしていた51歳の東京の男性と一時、連絡がとれなくなりましたが、その後、無事に救助されました。
いずれもけがはありませんでした。
「バックカントリー」はスキー場の敷地外にあたり、私有地ではない誰もが利用できる山岳エリアのことで、滑走は禁止されていません。
しかし、急な傾斜や未整備の場所を滑るため、警察によりますと、県内では、ことしに入ってから4日までにすでに11人が遭難し、このうち2人が死亡しているということです。
このため、県は、事前に滑走するコースや地形を確認したり、スキー場や県に登山計画書を提出したりするほか、遭難した場合に備えて、防寒着や非常食、それに、簡易テントなどを持参しておくことを呼びかけています。
また、万一、雪崩に巻き込まれた場合に備えて、雪の中に差し込んで埋もれた人を探す「プローブ」や、電波を発信してほかの人に自分の居場所を知らせることができる「ビーコン」、それにスマートフォン用のモバイルバッテリーなどを備えることなども呼びかけています。
長野県観光部の金井伸樹部長は「バックカントリースキーはスキーの延長ではなく、冬山登山の延長だと考えてもらいたい。すばらしい体験ができる反面、危険を伴うことを知っておいてもらいたい」話していました。