長野市立博物館の収蔵庫不足で検討会議 収蔵品の再調査実施へ

全国の博物館では、出土品や寄贈品の増加に伴う収蔵庫の不足が大きな課題となっています。
長野市でも市立博物館の収蔵庫が不足していることなどから、30日、対策を検討する初めての会議が開かれ、市立博物館は、今後、収蔵品の再調査を行い、同じ種類の収蔵品があれば、学校の歴史教育などで活用していく方針を示しました。

長野市立博物館で行われた初めての会議には、博物館の担当者や歴史学の専門家など16人が出席しました。
会議では、まず博物館の担当者が、収蔵庫が不足している背景として、発掘調査に伴う出土品や寄贈品の増加で、収蔵品が11万件に及んでいることや、収蔵庫として使っている廃校の教室などが老朽化していることなどがあると説明しました。
30日は、実際に、市立博物館の収蔵庫を視察する時間も設けられ、収蔵庫の不足に伴って通路などに収蔵品を置かざるを得ないと伝えていました。
市立博物館では、今後、収蔵品の再調査を行い、同じ種類の収蔵品があれば、学校の歴史教育などで活用していきたいとしていて、令和8年度までに専門家の意見も踏まえて対応策を決めたいとしています。
長野市立博物館の中野真一館長は「収蔵品のうち必要なものとそうでないものをきちんと選別した上で、どうしても活用できない場合は売却や廃棄も含めて考えていかなければならない」と話していました。

「日本博物館協会」が5年前に行った調査によりますと、回答を得た全国2300あまりの博物館などのうち、収蔵庫が9割以上埋まっていると答えた割合と、入りきらない資料があると答えた割合を合わせると60%近くに上っていて、収蔵庫の不足が全国的な課題だということがうかがい知れます。