「SLIM」カメラのレンズ開発 諏訪のメーカー 喜び語る

無人探査機「SLIM」が日本で初めての月面着陸に成功したことを受けて、「SLIM」に搭載されたカメラのレンズなどを開発した諏訪市の光学機器メーカーは、「機能は十分に果たせた」と喜びを語りました。

JAXA=宇宙航空研究開発機構は20日未明、無人探査機「SLIM」が日本で初めて、月面への着陸に成功したと発表しました。
「SLIM」は、目標地点との誤差を各国の探査機よりもはるかに小さい100メートル以内にとどめる“ピンポイント着陸”を目指していて、JAXAは達成できたかどうかデータを確認することにしています。
そのピンポイント着陸に欠かせないカメラのレンズを開発したのが諏訪市の光学機器メーカーで、20日は開発に携わった社員4人が、JAXAのパブリックビューイングで着陸の成功を見守りました。
新たなレンズの最大の特徴は耐久性で、真空状態や月面着陸の振動などにも影響を受けないほか、長時間、宇宙空間の放射線にさらされても変色しないということです。
レンズ開発のプロジェクトリーダーを務めた関根一秀さんは「開発の過程ではさまざまな問題があり、非常に長い時間がかかったが、今回成功して達成感があった」としたうえで、「われわれのレンズを通して月のクレーターなどを正確にとらえ、月面の情報を解析しながら着陸が成功したので、レンズとしての機能は十分果たせたと思う」と喜びを語りました。