阪神・淡路大震災から29年 経験語り備える取り組み

阪神・淡路大震災から29年となる17日。
上田市では地震の記憶を語り継ぎ大規模な災害への備えを確認する取り組みが行われました。

この取り組みは、老人ホームや障害者支援施設などを運営する社会福祉法人「まるこ福祉会」が行ったもので、施設の利用者や地域の人たちおよそ150人が参加しました。
はじめに29年前、大阪・高石市で地震を経験した上田市の近藤小枝子さん(85)が登壇し「揺れで目を覚まし、家がつぶれるかと思い怖かった」などと当時の状況を語りました。
さらに、家族で石川県小松市を旅行中に能登半島地震にあった、社会福祉法人の女性職員が、「一緒にいた孫は泣き叫び、『大丈夫、大丈夫』と言いながら上に覆いかぶさった。あんな地震が上田市で起きたら利用者を守れるか不安だ」と話しました。
このあと、利用者や施設を訪れた地域の人たちが地震を想定した避難訓練に参加したほか、職員が参加者に対して、施設での避難生活で体調を崩す人が出ないように、非常用発電装置などを設置していることを説明していました。
社会福祉法人「まるこ福祉会」の小室邦夫理事は、「災害が起きたときに、落ち着いて行動できるよう、日頃から訓練をしていきたい」と話していました。