リニア大深度地下工事 本格掘削を前に 現場を報道公開 川崎

長野県内でも建設が進められているリニア中央新幹線は、静岡県内での着工が遅れていることから、国土交通省は、これまで「2027年」としてきた開業時期を「2027年以降」に変更するJR東海の計画を先月認可しました。
このリニア中央新幹線の工事のうち、大都市の地下深くで進められるトンネルの掘削工事が本格的に始まるのを前に、川崎市の現場が、15日、報道陣に公開されました。

リニア中央新幹線の東京・品川と名古屋の間の工事では、東京と神奈川、愛知で、「大深度地下」と呼ばれる、地表から40メートル以上の深さの地下に、トンネルが掘り進められる予定で、JR東海は去年3月から調査を主な目的とした掘削を行ってきました。
調査の掘削を終えた川崎市の「東百合丘工区」では、周辺に影響が出なかったとして、ことし9月にも本格的な掘削を始めるということで、それを前に現場が報道陣に公開されました。
公開されたのは、地表からおよそ80メートルの深さの場所で、調査で掘削された長さ133メートルの空間の壁にはコンクリート片が組み合わされ、トンネルの壁ができていました。
また、空間の先端には直径14メートルの「シールドマシン」と呼ばれる掘削機が設置されていて、JR東海によりますと、本格的な掘削が始まると1日当たり、平均で、およそ10メートル掘り進める計画だということです。
JR東海の小野口博之所長は「今後も地元のみなさまの理解を得られるような取り組みを進めながら安全に工事を進めたい」と話していました。
リニア中央新幹線をめぐっては、静岡県が、別の工法のトンネル工事によって河川の水量が減ることや生態系への悪影響が懸念されるなどとして、県内での着工を認めておらず、開業時期のメドが立たない状況が続いています。