長野刑務所で受刑者虐待か NPO法人が法務省に調査申し入れ

須坂市にある長野刑務所の刑務官が障害のある受刑者に昼食をとらせなかったり、拡声機を使って耳元でどなりつけたりといった虐待を行っていた疑いがあるとして、受刑者の支援活動などを行うNPO法人が法務省に調査を申し入れました。
長野刑務所は「調査に全面的に協力する」とコメントしています。

受刑者の支援などを行っているNPO法人「監獄人権センター」によりますと、虐待を受けた疑いがあるのは須坂市にある長野刑務所に服役中の50代の男性受刑者です。
この受刑者は精神障害があるとみられ、名前などを適切に答えるのが難しいということですが、男性刑務官は、昼食時、この受刑者だけに名前などを言うように求め、言えないと昼食をとらせなかったことが複数回あったとしています。
また、この受刑者には身体障害もあり素早く歩くことができないということですが、同じ刑務官が拡声器を使って耳元で「とっとと歩け」などとどなりつけたこともあったとしています。
いずれの行為もことし6月に起きたと見られ、別の受刑者が手紙に書いて外部に通報しようとしましたが、刑務所が発送の手続きをしなかったり、虐待に触れた部分を黒塗りにした疑いもあるということです。
NPO法人では、所属する弁護士が関係者からの情報提供をもとに複数の受刑者に聞き取りをした結果、虐待の事実を確認したとして、20日までに法務省に調査と再発防止を申し入れたということです。
これについて長野刑務所は「調査に全面的に協力する」とコメントしています。
また、法務省矯正局は「事実関係を調査している。調査によって判明した事実に基づき適正に対処する」としています。