松本 患者情報を不正に持ち出した罪 病院の元職員に有罪判決

松本市の相澤病院から患者の個人情報を不正に持ち出した罪に問われた31歳の元職員に対し、裁判所は執行猶予の付いた懲役1年6か月と罰金50万円の有罪判決を言い渡しました。

松本市の相澤病院で臨床工学技士として勤務していた北原康佑被告(31)は、去年3月、病院のパソコンから人工透析の患者186人分の名前や住所といった個人情報を記録媒体にコピーし外部に持ち出したとして、不正競争防止法違反の罪に問われました。
検察側は「転職先のクリニックと、患者を紹介すれば紹介料を受け取る約束をしたうえで情報を持ち出していた」などとして、懲役1年6か月と罰金50万円を求刑していました。
一方、弁護側は「現在は罪を認識し反省している」などとして執行猶予付きの判決を求めていました。
7日の判決で長野地方裁判所松本支部の永井健一裁判官は「自分が利益を得ることが主な目的と考えられ、動機や経緯に酌量の余地が乏しく、患者に不安を与える悪質な行為だ」と述べたうえで、「被告は反省し、社会的な制裁も受けている」として、執行猶予3年の付いた懲役1年6か月と罰金50万円を言い渡しました。
裁判のあと、被告の弁護人は取材に対し控訴しない意向を明らかにしました。