山小屋へ物資運ぶ新たな手段 大型無人航空機の事業化を検討

人手不足や物価高の中、山小屋に物資を運ぶ新たな手段として、伊那市は大手機械メーカーと共同で、大型の無人航空機の事業化に向けた検討を進めています。
14日は新たに開発された機体が関係者にお披露目されました。

14日市内のスキー場で関係者に披露された機体は長さがおよそ7メートル、重さがおよそ440キロで、標高およそ3100メートルまで飛行することができます。
開発にあたっているのは大手機械メーカーの川崎重工業で、ヘリコプターのようにメインローターが回転して飛ぶことができ、最大時速はおよそ140キロ、重さおよそ100キロの荷物も積むことができるということです。
現在、南アルプスや中央アルプスの山小屋では発電機や燃料、食料といった物資をヘリコプターで運んでいますが、パイロット不足や物価高による経費増加のため、伊那市は、新たな輸送手段として川崎重工業と共同で事業化を進めています。
一般的なドローンとは異なり、機体の重さなどから法律上は航空機に分類されていて、国も、このような大型の無人航空機が活用できるよう安全基準の緩和を検討するなどとしています。
伊那市と川崎重工業は実証実験を重ね、3年後には山小屋での事業化を目指したいとしています。
伊那市の山小屋、「西駒山荘」の管理人、宮下拓也さんは「ヘリの都合で1週間も物資が運べないこともある。登山者のことを考えると物資輸送の不安が解消されるのは喜ばしい」と話していました。