リニア新幹線 阿部知事など4県の知事が岸田首相に支援要請

計画どおりの開業が難しくなっているリニア中央新幹線について、長野県の阿部知事ら中間駅が設置される予定の4県の知事が、岸田総理大臣と面会し、開業時期の見通しをはっきりさせることや駅周辺地域の活性化への支援を要請しました。

長野県、神奈川県、山梨県、岐阜県の知事は、6日午後、岸田総理大臣と面会し、静岡県内での工事をめぐって静岡県とJR東海の協議が難航し、計画どおりの2027年の開業が難しくなっている現状を踏まえ、開業時期の見通しをはっきりさせるよう求めました。
また、リニア中央新幹線の開業を有効に活用するため、各県に設置される予定の新たな駅周辺での観光振興や企業誘致など、地域の活性化に向けた協力を要請しました。
これに対し岸田総理大臣は、「中間駅のエリアにとって、三大都市圏が通勤圏内に入り、ライフスタイルや働き方も大きく変わることになる。さまざまな可能性もある魅力的な国家的プロジェクトなので、われわれも努力をしていきたい」と応じました。
また、4県の知事は、岸田総理大臣との面会に先立って、都内で開かれたシンポジウムに出席し、JR東海の丹羽俊介社長などと新駅を生かした地域の活性化に向けて意見を交わしました。
このなかで阿部知事は、「新たな駅は、長野県の南の玄関口になり極めて重要だ。南信州地域、伊那谷地域をリニア中央新幹線を契機に、ものづくりの拠点としていきたい」と述べ、さまざまな研究機関などの誘致に力を入れていく考えを示しました。