長野 伊那 きのこ採りで不明の3人救助 命に別状なし

25日の朝、伊那市の山林にきのこ採りに出かけたあと行方不明になっていた男性3人が、26日午後、警察に救助されました。
警察によりますと、3人とも命に別状はなく会話もできる状態だということです。

行方が分からなくなっていたのは、いずれも伊那市に住む88歳と63歳の自営業、それに27歳の自営業手伝いの親族の男性3人です。
警察によりますと、3人は25日の朝、伊那市の山林にきのこ採りに出かけましたが日没を過ぎても帰宅しなかったため、25日夜、親族が警察に通報していました。
警察は3人が遭難したおそれがあると見て捜索していましたが、26日午前6時ごろから3人と断続的に携帯電話がつながるようになりました。
そして26日午前11時すぎに伊那市の三ッ石山の南側の沢のあたりで63歳と27歳の男性2人が見つかり、3時間近くあとにはやや離れた場所で88歳の男性が発見されました。
3人は、午後2時すぎに警察のヘリコプターで救助され、伊那市内の病院に搬送されましたが、いずれも命に別状はなく会話もできる状態だということです。
警察によりますと、3人は「道に迷ってそれぞれはぐれてしまった」と話しているということで、警察が当時の状況を調べています。

県山岳遭難防止対策協会によりますと、県内では、毎年秋に、きのこ採りに夢中になって山奥に入り込み、現在地が分からなくったりして遭難する人が多いといいます。
去年9月から11月にかけてきのこ採りで遭難した12件のうち、滑落が最も多い6件次いで道に迷ったのが4件などとなっています。
ことしはきのこが不作なこともあり、きのこ採りによる遭難は、今月22日までに4件と去年の同じ時期に比べて5件少なくなっていますが、きのこ採りによる遭難は命に関わるケースが多く、過去5年間で遭難した62人のうち34人が死亡しています。

県山岳遭難防止対策協会ではきのこ採りによる遭難を防ぐために5つの点を呼びかけています。
まず、▼山に入る前に、入山場所と予定を家族などに伝えてください。
そして、▼位置情報の機能を起動させたスマートフォンとヘッドライトを持って行くことも重要です。
秋は日没時刻が日増しに早くなるので、時間に余裕をもった計画を立ててください。
さらに▼急な斜面には入り込まないようにしてください。
▼2人以上で山に入り、単独行動は避けることも重要です。
複数で山に入っても仲間とはぐれるケースが後を絶たないことから、互いの声や目の届く範囲で行動してください。
最後に、▼クマなどの野生動物への注意です。
ことしは、全国的にクマによる被害が相次いでいて、鈴やラジオなど音の出るものを持ち歩くことが大切だということです。
県山岳遭難防止対策協会は、山に入る時には、「遭難するかもしれない」という緊張感をもって慎重な行動を心がけてほしいと呼びかけています。