人手不足の長野 大町の温泉街 シニア世代が清掃活動

人手不足が課題となっている大町市の温泉街では冬の観光シーズンを前に、地元のシニア世代の人たちが人手が足りない街の清掃活動を担う取り組みが行われました。

これは、大町市や大町温泉郷観光協会などで作る協議会が初めて行ったもので、大町市とその周辺に住む66歳から80歳までのシニア世代の人、29人が参加しました。
25日は大町市の温泉街、大町温泉郷に集まり、スキー客などが増える冬の観光シーズンを前に、人手不足で清掃活動に手が回らない宿泊施設などに代わって温泉街の中心部を掃除しました。
参加者たちは、ほうきなどを使って落ち葉や雑草などを片づけ、観光客が歩きやすい環境を整えていました。
参加した70代の男性は「これからも体を動かす仕事をしたいと思っているので機会があれば花を植えたり周辺の環境を整備したりする手伝いをしたい」と話していました。
今回の取り組みを行った「大町市創業支援協議会」によりますと、温泉街にある宿泊施設などはコロナ禍で大きな打撃を受けた影響で、従業員が減った一方、観光需要が急速に回復したため人手不足が大きな課題となっています。
このため、今後も人手が足りない街の清掃活動をシニア世代の人たちに担ってもらう機会を設けるとともに、宿泊業などに興味を持った人がいれば、支援をしたいとしています。
「大町市創業支援協議会」の桂山茂さんは「高齢化は決して悪いことではなく、年代や体調に合わせて活躍してもらうことで、地域の活性化にもつながる」と話していました。