長野 北アルプス 2人無事帰還 何らかの理由で道に迷ったか

今月18日に大町市の登山口から北アルプスに入ったあと行方が分からなくなっていた東京都の2人は、23日夜から24日朝にかけて相次いで無事に戻りました。
2人が歩いていた登山道には雪に覆われた場所もあったと見られ、警察は何らかの理由で道に迷ったとみて、当時の状況を詳しく調べています。

東京・世田谷区の26歳の自営業の男性と東京・稲城市の23歳の男子大学生の2人は、今月18日から1泊2日の予定で大町市にある登山口から北アルプスに入りましたが、翌日の連絡を最後に行方が分からなくなっていました。
警察は2人が遭難したとみて捜索を続けていましたが、入山から5日がたった23日夜、自営業の男性が自力で下山したのに続き、24日朝には男子大学生が警察のヘリコプターによって山中から救助されいずれも無事が確認されました。
警察によりますと、自営業の男性は「2人で道に迷った」と話しているということです。
2人は、テントや3日分の食料を持参していて、飲み物がなくなったあとは、沢の水を飲むなどして過ごしていたということです。
そして23日の朝、自営業の男性が男子大学生が救助された付近から1人で出発し、およそ半日かけて下山したということです。
2人が歩いていた登山道には雪に覆われた場所もあったと見られ、警察は何らかの理由で道に迷ったと見て、当時の状況を詳しく調べています。

警察などへの取材で判明した2人がたどったルートは次の通りです。
北アルプスに入山したのは今月18日の朝。
大町市にある七倉登山口からでした。
それから1泊2日の日程で上級者向けの「伊藤新道」と呼ばれる登山道を通り、北アルプスの三俣蓮華岳の付近を目指したあと、別の登山道を通って七倉登山口に下山する計画でした。
しかし、計画どおりの下山が難しくなり、19日の夕方、大学生の家族に「もう1泊する」とメールを送りました。
その後、2人の携帯電話は電源が切れたと見られ連絡がつかなくなりました。
そして一夜明けた20日、2人は七倉登山口に向けて移動している途中に道に迷います。
その日の午後4時ごろ、2人は北アルプスの富山県側の沢の近くにたどりつき、天候や体力などを考えて23日までテントを張って過ごしました。
そして、23日の朝、体力が回復した自営業の男性は自力で歩くことが難しかった男子大学生を残して1人で下山し、23日夜、警察に保護されました。
その後、自営業の男性の話などをもとに警察が24日朝からヘリコプターで捜索した結果、午前6時半すぎに沢の付近にいた男子大学生を発見し救助しました。