木くず違法焼却事件 元著名レーサーに無罪判決 地裁松本支部

長野県大町市内の原野で、違法に木くずを焼却した罪に問われたレーシングカーの開発などを手がける会社の元会長に対し、長野地方裁判所松本支部は「共謀関係にあったとされた関連会社の元役員が、うその供述をした可能性も想定できる」などとして無罪を言い渡しました。

国際的な自動車レースで何度も優勝経験があり、レーシングカーの開発などを手がける会社の元会長の田嶋伸博さん(73)は、おととし4月、関連会社の元役員とともに、長野県大町市内の原野で41キロあまりの木くずを焼却したとして廃棄物処理法違反の罪に問われました。
田嶋さんが、関連会社の元役員に焼却を指示していたかが争われ、検察側は罰金30万円を求刑し、弁護側は無罪を主張していました。
17日の判決で、長野地方裁判所松本支部の永井健一裁判官は「会社内での自分の地位を失うことを不安に感じた関連会社の元役員が、田嶋さんの関与があったとうその供述をした可能性も想定できる」などとして無罪を言い渡しました。
判決では、このほか、罰金50万円が求刑されていた田嶋さんが経営していた会社に対しても、無罪が言い渡されました。
会社側はホームページを通じて、「違法焼却に対する関与がないことが認められたことについて大変うれしく思うと同時に、社会的信用を回復する第一歩になるものと考えております」などとコメントしています。

判決について、長野地方検察庁の中村昌史次席検事は「判決内容を十分検討したうえで適切に対応したい」とコメントしています。