相澤病院元職員 患者個人情報不正持ち出し認める 初公判

松本市の相澤病院で、患者の個人情報を不正に持ち出した罪に問われている31歳の元職員の初公判が開かれ、被告は起訴内容を認めました。

松本市の相澤病院で臨床工学技士として勤務していた北原康佑被告(31)は去年3月、病院が管理するパソコンから、患者186人分の名前や住所などの個人情報を記録媒体にコピーして不正に持ち出したとして、不正競争防止法違反の罪に問われています。
13日、長野地方裁判所松本支部で開かれた初公判で、被告は起訴内容を認めました。
このあとの冒頭陳述で検察側は「相澤病院と秘密保持に関する契約を結んでいたのに患者の情報を不正に持ち出した。被告は当時、患者を紹介すれば紹介料10万円を払ってくれるクリニックへの転職を希望していた」などと指摘しました。
その上で検察側は転職先のクリニックの代表の「患者の紹介は依頼したが情報の持ち出しは指示してない」とする供述調書や、被告本人の「あくまでも患者のためにやったことでお金は二の次だった」とする供述調書を読み上げました。
これに対し、弁護側は「事実は争わないが、病院側の秘密の管理も徹底していなかった」などと述べました。
逮捕当初、被告は犯行を否認していました、が裁判のあと被告の代理人を務める赤羽啓弁護士は「法律的な評価は解釈が分かれるところだが、病院に迷惑をかけたので本人と相談した上で起訴内容を認めることにした」と説明しました。