大鹿村に伝わる弁当「ろくべん」 観光関係者が学ぶ勉強会

大鹿村で村歌舞伎を見るときの弁当としておよそ300年の歴史があるとされる「ろくべん」について、観光関係者が学ぶ勉強会が行われました。

「ろくべん」は、ごはんとおかずを別々の器に入れて持ち運ぶ、大鹿村に江戸時代から伝わる行楽用の弁当で、大鹿歌舞伎や祭りなどのときに各家庭が持ち寄ったと言われています。
勉強会は、「ろくべん」の食文化を受け継いでいこうと村の観光協会が企画し、宿泊業や飲食業の関係者などおよそ10人が参加しました。
この中で、講師を務めた地元の料理人は、海がない長野県にとって塩漬けのいかやちくわなどは貴重でおかずに入っていたことや、春は山菜、秋はきのこなど地元で採れた食材を使っていたことなどを説明しました。
「ろくべん」の由来については、1人用の弁当の意味の「独弁」がなまったものなど諸説あります。
参加者たちは、作り方をメモしたり、調理したおかずを詰めたりしたあと、伝統の味を試食して楽しんでいました。
参加した飲食業の女性は「実際に作るのは大変ですが、いろいろな食材が入っていておいしかったです」と話していました。
大鹿村観光協会の平瀬定雄会長は「勉強会などを通じて、若い人たちにも食文化を受け継いでいってもらいたいです」と話していました。