障害者の工賃アップ 松本市の施設など先駆的取り組み紹介
障害のある人の工賃の引き上げが課題となるなか、松本市の障害者施設などが県庁で会見し、従来の農作業に加え加工品の販売やラベル貼りなども請け負うことで、工賃のアップにつなげる先駆的な取り組みを紹介しました。
会見を開いたのは、障害者の就労支援などを行っている松本市の社会福祉法人「あいらいふ南原」や「上高地ブルーベリー園」の代表らです。
県内の障害者施設の工賃は、令和4年度、月額平均で1万6930円と、県が目標に掲げる2万1000円を下回っていて、いかに工賃を引き上げるかが課題になっています。
この施設の利用者はブルーベリー園の農作業に携わってきましたが、新たにことしから加工したジャムの販売やラベル貼りなどを引き受けるようになりました。
さらに、施設の利用者が手がける絵画などをラベルのデザインに使うことで著作権料を受け取れるようになり、今後、工賃のアップが見込まれるということです。
県セルプセンター協議会によりますと、農作業だけでなくその加工品も含めた一連の作業を障害者が担うのは、県内でも先駆的な取り組みだということです。
あいらいふ南原の熊切勇人さんは、「農業というと期間が限られているイメージだが、加工品なども組み合わせると継続的に仕事ができる。いろいろな仕事をすることで工賃も上がると思う」と話していました。