林外相 各国駐日大使らが長野県訪問 シードル醸造所など視察

林外務大臣は、地方の魅力を海外に発信するプロジェクトの一環として、24日、各国の駐日大使らとともに長野県を訪問し、県特産のりんごを使った酒「シードル」の醸造所などを視察しました。

7年前に始まった外務大臣と各国の駐日大使らが地方を巡るプロジェクトは、大使館からのSNSなどを通じた情報発信により、海外から地方に観光客を呼び込むことを目的としています。
24日は林外務大臣と6か国の駐日大使らが長野県を訪れ、伊那市にあるシードルの醸造所などを視察しました。
大使らは、シードルからブランデーをつくるために新たに導入したという蒸留器などを見学し、担当者の説明に耳を傾けていました。
このあと伊那市のホテルで昼食会が開かれ、林大臣は各国の大使らに、「長野県の歴史や自然、食の魅力を世界に発信してほしい」と呼びかけました。
昼食会のあと、阿部知事は「各国の大使に来ていただき、うれしいです。長野県の健康長寿の秘けつは食文化にあるので、食の魅力について広く海外の方に知ってほしいと思います」と話していました。
各国の大使らは、このほかにも、みそづくりを体験したり諏訪大社を訪れたりと、長野県の食文化や歴史に理解を深めました。

このあと、林外務大臣や各国の駐日大使らは、駒ヶ根市にある青年海外協力隊の訓練所を視察し、訓練生らと草の根の国際協力の重要性などについて意見を交わしました。
駒ヶ根市にあるJICA=国際協力機構の施設は、全国に2か所しかない青年海外協力隊の訓練所の1つです。
24日は、今後28か国に派遣される予定の訓練生など100人余りが林大臣や各国の大使を出迎えました。
この中で林大臣は、ODA=政府開発援助の指針を定める「開発協力大綱」がことし8年ぶりに改訂され、途上国を対等なパートナーとしてデジタル化などの課題に協力して対処する方針が打ち出されたことを踏まえ、青年海外協力隊の活動がますます重要になると訓練生を激励しました。
このあとの懇談で、訓練生たちは、派遣国で取り組みたいことなどを話し、各国の大使は草の根の活動の大切さなどを訴えていました。
林大臣は記者団に対し、青年海外協力隊の役割について、「途上国の経済社会の発展と友好関係の推進に貢献する国の強みと位置付けている。隊員が帰国した後、地方の課題解決に寄与することも期待している」と述べました。