しなの鉄道回送電車脱線 枕木の腐食でレールにずれが原因

ことし6月、上田駅構内で、しなの鉄道の回送電車が脱線した事故について、会社は、木製の枕木が腐食したことで固定されていたレールがずれ、幅が広がったことが原因だとした調査結果をまとめ、木製の枕木を、耐久性の高いコンクリート製に交換するなどの再発防止策を示しました。

ことし6月12日、上田駅の構内で、しなの鉄道の回送電車が、電車を止めておく留置線に向かっていた途中に脱線し、けが人はいなかったものの、一部区間が3日間運休して、延べおよそ2万3000人の利用者に影響が出ました。
しなの鉄道は2日記者会見を開いて事故の調査結果について説明しました。
それによりますと、事故が起きた付近に敷かれていた、木製の枕木の内部が腐食したことで、レールを固定している「くぎ」がずれ、レールの幅が広がったことが原因だと明らかにしました。
しなの鉄道では、本線のほとんどが、耐久性の高いコンクリート製の枕木ですが、留置線に向かう線路などの多くは木製で、腐食していた枕木は、30年ほど前に設置されたものだということです。
会社は、毎年、定期点検を行い去年8月の点検で、異常は見られなかったということです。
事故を受けて、会社は、木製の枕木を緊急点検し、新しい枕木に交換するなどの対応をとりました。
そのうえで来年度末までに、木製の枕木のうち、線路に負荷がかかりやすい曲線部分はすべて、比較的負荷のかかりにくい直線部分は3本に1本をコンクリート製の枕木に交換する再発防止策を行うということです。
しなの鉄道の土屋智則社長は「お客様にご迷惑をおかけしたことを改めてお詫びします。国や県などの支援を受けながら枕木の交換を早急に進めたい」と述べました。