佐久 中学生死亡 ひき逃げ問われた裁判 被告側は無罪主張

8年前、佐久市で中学生を車ではねて死亡させたとして、過失運転致死の罪が確定した会社員が、改めてひき逃げの罪に問われた裁判の2審が始まり、被告側は改めて無罪を主張しました。

御代田町の会社員、池田忠正被告は(50)、2015年3月、佐久市で横断歩道を渡っていた中学3年生の和田樹生さんを(15)車ではねたあと、すぐに救護せずに立ち去ったとしてひき逃げの罪に問われています。
会社員は当初、過失運転致死の罪に問われ、執行猶予のついた禁錮刑が確定しましたが、検察は去年、ひき逃げの罪で在宅起訴に踏み切り、改めて裁判が開かれることになりました。
1審の長野地方裁判所は、飲酒を隠すためにいったん現場を立ち去ってコンビニに口臭防止用の商品を買いに行ったことはひき逃げにあたるとして、被告に懲役6か月の実刑判決を言い渡し、被告側が控訴していました。
1日から2審の裁判が東京高等裁判所で始まり、被告側は「コンビニに寄ったあとに戻って救護をした」と改めて無罪を主張しました。
また、すでに過失運転致死の罪が確定していることから、同じ事件を2度裁くことを原則として禁じる「一事不再理」にあたるとして裁判の打ち切りを求めました。
一方、検察は控訴は棄却されるべきだと主張しました。
裁判は1日で結審し、判決は9月28日に言い渡されます。

亡くなった和田樹生さんの父親の善光さんは、裁判のあと、「被告の思いが何も伝わってこず、憤りを感じる。救護義務違反での実刑を確定させてほしい」と話していました。
また、母親の真理さんは「被告側の主張が認められてしまえば被害者の命が守られないことになってしまう。控訴を棄却してほしい」と憤りを見せていました。