暑さの厳しい時期 細菌による食中毒の注意点は?

暑さの厳しい時期に熱中症とともに気をつけないといけないのが細菌による食中毒です。
食品の購入から調理、食事までの一貫した予防対策が重要です。

今月、保健所はスーパーや飲食店などへの立ち入り検査を全国一斉に行っていて、魚や肉などの生鮮食品が適切な温度で保存されているか、専用の温度計を使って調べています。
スーパーなどの生鮮食品の陳列台では、一般的に、魚や肉を高く盛ったほうが豪華に見え、客が手に取りやすいとされています。
しかし商品の高さが冷気の吹き出し口の下のラインを越えると適切な温度管理ができなくなってしまいます。
長野市にあるスーパーの副店長は「ラインを越えないように陳列し、温度管理や消毒をしっかりしていきたい」と話していました。
保健所は消費者に対する啓発活動も行っています。
長野市保健所が今月25日に開いた食中毒予防のポイントを学ぶ教室では、参加者が食品などの細菌を試験紙で培養して調べる検査を体験しました。
その結果、生肉にはたくさんの細菌が付着していることが可視化され、生肉を触って調理した後はしっかりと手を洗うことが大切であることを学びました。
また、手洗いが不十分なまま素手で握ったおにぎりからも細菌が検出されましたが、ラップで握ったおにぎりからは出ませんでした。
食品以外でも、食器を洗うスポンジや洗った食器を入れる水切りかごからも細菌が検出されました。
このほか、手洗いの実験では、甲の部分や爪の周りなど洗い残しが起きやすい部分が可視化され、参加した小学生は、「こんなに汚い手でごはんを食べてたの」と驚いた様子でした。
長野市保健所食品生活衛生課の大河内雅彦課長は、「食中毒は店だけで起こるものではなく家庭でも起こってしまう。食中毒の予防には、細菌をつけない・増やさない・やっつけるという3原則があり、まずはしっかり手洗いをするところから始めてほしい。細菌を増やさないよう調理器具は洗剤で洗ったり消毒したりするほか、肉はしっかり加熱して食べてもらいたい」と話していました。