槍ヶ岳から厳冬期も4K映像伝送システム 地元CATV局開発

北アルプスの槍ヶ岳の山頂近くに無人の4Kカメラを設置し、冬の厳しい気象条件のもとでも高精細の映像を常時、伝送できるシステムを松本地域のケーブルテレビ会社が開発しました。

このシステムはテレビ松本ケーブルビジョンが開発し25日、東京で記者会見を開きました。
それによりますと、槍ヶ岳の山頂近くの山小屋に設置した4Kカメラを30キロあまり離れた松本市内から遠隔操作し、標高3000メートルを超える山頂の様子を映した映像を年間を通じて常時、リアルタイムで伝送できます。
気温マイナス30度以下、風速30メートルを超えることもある冬の山頂の厳しい気象条件にも耐えられるように、予備のカメラや無線システムを複数、設置したほか、電源となる燃料電池から排出される水が凍って装置が停止するのを防ぐ仕組みを作りました。
こうした4K映像のシステムは国内では初めての試みだということです。
映像はJR松本駅に設置されている電子看板=デジタルサイネージなどで見られるようにするほか、山の遭難対策や気象情報の収集、観光振興などへの活用を検討したいとしています。
記者会見した佐藤浩市会長は「将来的には全国の雄大な山々とネットワークができて日本の新しいシステムとして世界に誇れる日が来ることを期待している」と述べました。