小川村浸水被害 県が河川工事方法“不適切” ほかも点検へ

小川村浸水被害 県が河川工事方法“不適切” ほかも点検へ

今月1日の大雨で小川村の河川工事の現場から水があふれ、住宅の浸水被害が発生したことについて、工事を発注した県は、工事の方法が適切ではなかったという認識を示しました。
県は、ほかの河川工事の方法に問題がないか総点検を始めました。

小川村の鴨ノ尾地区では、今月1日の夕方、大雨で土尻川の水があふれ、住宅6棟が浸水被害を受けました。
現場付近の土尻川では、去年8月にも洪水があったため、ことし1月から復旧工事が行われています。
それに使う重機や資材の運搬のため、川を横切る形で盛り土の仮設道路が設けられていました。
今回の大雨では、その仮設道路が増水した川の水をせき止める形となり、水があふれ出してしまったということです。
川の水は、仮設道路に埋め込まれた11本のパイプを通して流されていて、水量が増えた場合は仮設道路を取り壊す計画でした。
しかし、急な大雨で水位が一気に上昇したため仮設道路の取り壊しが間に合わなかったということです。
浸水被害にあった複数の住民から、工事のあり方に対する疑問や憤りの声が上がっています。
70代の女性は「大雨が降れば水があふれるのではないかと思っていた」と話していました。
また、40代の男性は「当日も作業員が午前中からいたのにどうして仮設道路の撤去をしなかったのか疑問だ」と話していました。
県河川課は、NHKの取材に対し、「災害復旧工事をできるだけ早く進めるため出水期に工事を行っていたが、仮設道路の設置や管理に適切でない点があったと考えている」とコメントしました。
そのうえで、県が発注したほかの河川工事の方法に問題はないか、総点検を始めたということです。