坂本弁護士一家を追悼 親交のあった楽団のメンバーらが演奏会

オウム真理教によって殺害された坂本弁護士一家3人のうち、長男の龍彦ちゃんの遺体が見つかった大町市で、一家を慰霊する演奏会が26日開かれ、3人を追悼しました。

オウム真理教の信者を家族のもとに返す活動をしていた坂本堤弁護士は、妻の都子さんと長男の龍彦ちゃん(1)とともに平成元年、オウム真理教の当時の幹部らに殺害され、このうち、龍彦ちゃんの遺体は大町市の山中で見つかりました。
その大町市内にある公民館で26日、坂本弁護士と親交のあった楽団に所属するチェロ奏者の江原望さんら2人が、一家を追悼するミニコンサートを開き、地元の人などおよそ30人が集まりました。
江原さんらは、坂本弁護士一家の写真が立てかけられたいすの横で、坂本弁護士が好きだった「タイスの瞑想曲」や「千の風になって」など9曲を披露し、集まった人全員で3人を追悼していました。
参加した70代の女性は「こうした事件は二度と起きてはいけないし、そのためにどうすべきかを私たちも考えなければいけないと思いました」と話していました。
演奏会を企画した今野強さんは「事件を風化させてはいけないと思います。平和な社会を目指した坂本弁護士の思いをこれからも演奏に乗せて伝え続けたいです」と話していました。