ドローンで非常食など輸送 4年前の台風被災地で実証飛行

4年前の台風19号の被災地、長野市の長沼地区で、自動運転のドローンを使って非常食などを輸送する実証飛行が行われました。
開発企業は、ドローンによる荷物の運搬で荷降ろしまで完全に自動で行うのは国内初だとしています。

19日の実証飛行は、4年前の台風19号で大規模な浸水被害が発生し支援物資の運搬が困難になった長野市長沼地区の河川敷で行われました。
使用されたのは、東京の企業が開発した自動運転のドローン1機で、3キロほど離れた目標地点に無事に荷物を運べるか、テストされました。
まずは、重さ20キロほどの非常食が入ったネットをつるして飛行し、目標地点に自動で荷物を降ろすと、5分あまりで元の場所に戻ってきました。
また、2度目の飛行ではバッテリーを運び、いずれも大きなトラブルはありませんでした。
開発した企業によりますと、ドローンによる荷物の運搬で、荷降ろしまで完全に自動で行うのは、国内では初めてだということです。
長野市は、災害時に孤立した地域では、自動運転のドローンが物資の運搬などに効果を発揮するとみています。
長野市は、このドローンを使った災害時の物資運搬や被害状況の把握に関する協定を開発企業などと結んでいて、近く、ドローンや支援物資の保管拠点を設けることにしています。
長野市危機管理課の小林弘明課長は「長野市は洪水や土砂災害が多いので、孤立した人に物資を運ぶためドローンを有効に活用したい」と話していました。