しなの鉄道 決算が4年連続最終赤字 利用客は回復基調

長野県の第三セクター、「しなの鉄道」が発表した昨年度1年間の決算は、最終的な損益が2800万円余りの赤字となりました。
赤字は4年連続で、コロナ禍で落ち込んでいた鉄道の利用客が回復基調にある一方、電気料金の高騰が利益を押し下げました。

「しなの鉄道」の昨年度1年間の決算は、売り上げにあたる「営業収益」がコロナ禍で落ち込んでいた鉄道の利用客が回復基調にあるため、前の年度より4億円余り増えて39億1373万円となりました。
一方、エネルギー価格の高騰に伴う電気料金の値上げで経費がかさみ、最終的な損益は2847万円の赤字となりました。
赤字は4年連続です。
しなの鉄道は、厳しい経営環境が続く中、ことし4月以降、JRや「えちごトキめき鉄道」に乗り継いで特定の区間を利用した際に、運賃を割り引く制度を廃止するなど、経営改善を強めています。
また、列車の減便なども進めています。
しなの鉄道によりますと、経営改善策や乗車人数の回復などに伴って再来年度・2025年度からは黒字を確保できる見通しだとしています。
しなの鉄道の土屋智則社長は会見で、「新型コロナが5類に移行し、輸送人員や旅客収入も増えていて、コロナ禍からの『反転攻勢』につながる決算だと思っている。今までできなかったイベントなども行い、早期の黒字化に向けて沿線地域と一丸となって取り組んでいきたい」と述べました。