長野 中野立てこもり４人死亡 中野市議会議長の長男逮捕

長野県中野市で男が猟銃のようなものを発砲するなどしたうえ立てこもり、４人が死亡した事件で、警察はこのうち警察官１人を殺害した疑いで３１歳の中野市議会議長の長男を逮捕しました。
警察によりますと調べに対し容疑を認めているということです。

逮捕されたのは中野市議会議長の長男で農業を営む青木政憲容疑者（３１）です。
２５日、午後４時半ごろ、中野市江部で、「男が女性を刺した」と１１０番通報があり、警察が現場に駆けつけたところ、青木容疑者が警察官に猟銃のようなものを発砲し、近くの住宅に立てこもりました。
この事件で現場近くに住み男に刺されたとみられる村上幸枝さん（６６）と、高齢の女性、それに、中野警察署の玉井良樹警部補（４６）と池内卓夫巡査部長（６１）の４人が死亡しました。
容疑者が立てこもった住宅には容疑者の母親と親戚の女性がいましたが、２人は２５日夜から２６日未明にかけて逃げ出し、警察に保護されていました。
その後も容疑者は１人で立てこもりを続け、事件から半日がたった午前４時３７分、外に出てきたところを確保されました。
そして、警察は亡くなった４人のうち６１歳の警察官の胸を猟銃のようなもので撃って殺害したとして、殺人の疑いで逮捕しました。
調べに対し「殺しました。撃ったことは間違いありません」と容疑を認めているということです。

２５日、事件が起きた現場で、亡くなった村上幸枝さん（６６）の心肺蘇生を行った男性が取材に応じました。
男性によりますと、畑で作業をしていたところ、警察に通報した近所の男性から救急車を呼ぶように依頼されたということです。
男性は、救急隊が到着するまでの間、村上さんの心配蘇生を行い、この時、村上さんは手首や背中から出血していたということです。
男性は、「警察のパトカーが現場に到着したところ、容疑者が現れた。おもちゃだと思っていたところ、いきなり、パトカーの運転席側に向かって銃を向け、笑みを浮かべて楽しんでいる様子だった。そのあと、発砲音が２回聞こえた」と話していました。
また、容疑者については「素直でいい子で、野球をするなど活発な子だった。一方で昔から人と話すのは苦手だった」と話していました。