鉄道員で働くかたわら画家として活動した田中隆夫企画展 岡谷

今の伊那市に生まれ、鉄道員として働きながら創作に励んだ画家、田中隆夫の生誕100年を記念した企画展が岡谷市で開かれています。

大正12年に今の伊那市に生まれた田中隆夫は、国鉄の岡谷駅や辰野駅で駅員として働くかたわら画家として活動しました。
その生誕100年を記念した企画展が岡谷美術考古館で開かれていて、田中が手がけた油彩画23点が展示されています。
このうち、「帰路」という作品は自動車が普及する前、駅の構内で荷運びに使われた馬や労働者の姿が力強いタッチで描かれています。
田中は、枯れ残ったひまわりを好んで描いたことで知られ、そのうちの1つ「晩秋」という作品は56歳で亡くなる2年前に描かれました。
このほか、厳しい生活を送る農民の姿や生まれ故郷の風景などを題材にした作品も展示されています。
岡谷美術考古館の宇治美弥子学芸員は「田中は労働者や身近な農村風景などに美しさを見いだし力強く描きました。作品を通して田中の優しさと努力家だった人柄を感じ取ってほしい」と話していました。
この企画展は来月4日まで開かれています。