国の登録有形文化財「大明神寮」防腐効果ある柿渋を塗る作業
上田市の菅平高原にある国の登録有形文化財「大明神寮」を保全するために、腐敗を防ぐ効果がある柿渋を塗る作業が行われました。
筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所にある「大明神寮」は昭和40年に宿舎として建てられ、根子岳などを背後に秀逸な景観を形づくっていることなどが評価され、平成30年に国の登録有形文化財に登録されました。
27日は実験所の職員や学生、それに地元の人などおよそ30人が集まり、防腐効果がある柿渋の塗料をはけを使って建物の外側に塗っていきました。
参加者の中には初めて柿渋を扱う学生もいましたが、独特のにおいにもだんだんと慣れていき、2時間ほどで塗装が終わりました。
「大明神寮」は現在、宿泊は行っていませんが、建物を有効活用するために、ことしの秋に植物などの標本を紹介する企画展が開かれる予定です。
参加した筑波大学の男子学生は「においが独特でしたが、自然の塗料を使うのは初めてだったので貴重な体験ができました」と話していました。
実験所の出川洋介所長は「自分の手で塗装することで、文化財への愛着を持ってほしい」と話していました。