中国人画家が描いた“満州からの引き揚げ者” 阿智村
終戦のよくとし、旧満州、いまの中国東北部から引き揚げる日本人を描いた幅20メートルの油彩画が、阿智村の満蒙開拓平和記念館で展示されています。
展示されているのは、「一九四六」というタイトルがつけられた幅20m、高さ3mの大きな油彩画です。
終戦よくとしの1946年に、中国・遼寧省の葫蘆島でおよそ500人の日本人が港に停泊する船に乗り込もうとする様子を、水墨画のようなタッチで描いています。
絵を手がけたのは、葫蘆島の近くで生まれた中国人画家、王希奇さん(62)で、展示会が始まる前日、会場の満蒙開拓平和記念館を訪れました。
このなかで王さんは、旧満州から引き揚げる日本人の写真を見たことをきっかけに「一九四六」の制作を始め、完成までに5年を費やしたことを紹介したうえで、「引き揚げ者たちがなぜこんな悲惨な目にあったのか、芸術という手段で歴史を記録しようと思ったと」述べました。
また、王さんの訪問とあわせて、葫蘆島からの引き揚げ者の1人でもある歌手の加藤登紀子さんも来館し、「どんなことがあっても生き延びなければいけないということをこの絵から感じてほしい」と話していました。
満蒙開拓平和記念館での「一九四六」の展示は今月26日まで行われます。