「731部隊」展示再検討 委員会の設置方針了承 飯田市教委

戦時中の資料などを展示する「飯田市平和祈念館」をめぐり、市の教育委員会は17日の定例会で展示内容を改めて検討する委員会を設置する方針を示し了承されました。
祈念館が去年オープンした際に展示を見送った旧日本軍の特殊部隊、通称「731部隊」の元隊員の証言パネルの扱いが焦点となります。

飯田市教育委員会は去年5月、戦争の悲惨さや平和の尊さを伝えようと、市内に残る戦時中の資料などおよそ1800点を展示する「飯田市平和祈念館」をオープンしました。
その際、資料の収集に協力した市内の団体は、戦時中、細菌戦などの研究を行っていたとされる「731部隊」の元隊員4人の証言などをパネルにまとめ展示するよう求めました。
しかし、市の教育委員会は、表現が生々しいものがあり子どもたちに影響が大きいとか、「731部隊」の活動実態については今もさまざまな議論があるなどとして展示を見送っていました。
その後、展示の見送りに批判的な意見も寄せられたということで、市の教育委員会は展示内容を改めて検討するための委員会を設置する方針を固め、17日の定例会に示しました。
その結果、市内外の教育関係者やパネルを制作した団体などの13人をメンバーにした委員会を設置する案が承認されました。
出席した教育委員からは「公の施設でどういったものを展示するのが適当か多様な立場から意見をもらうのが大事」とか「展示に至る経過に透明性をもたせることが重要」などの意見が出ていました。
委員会は早ければ今月下旬にも発足するということで、当初、展示が見送られた証言パネルの扱いが焦点となります。