障害児施設で職員が心理的虐待 飯田市が県に報告

障害のある子どもたちが利用する飯田市の施設で、職員による心理的な虐待が行われていたと市が判断し、県に報告していたことが分かりました。

これは6日、飯田市の佐藤健市長が会見で明らかにしました。
それによりますと、去年1月下旬の通報をきっかけに、市は障害のある子どもたちが放課後などに利用している市内の施設で聞き取りなどの調査を行ったということです。
その結果、特定の子どもの首に施設内での約束事が書かれたカードをかけ、守れなかった場合はカードにバツ印をつけていたことや、施設の職員が子どもの背中の上で連絡帳の記入を行っていたことが確認されたということです。
市の聞き取りに対して、施設はカードを首にかけたのは行為のよしあしを分かってもらうためで、連絡帳の記入も子どもから自分の背中を机代わりにしてほしいと言われたためにやったなどと説明したということですが、市はこれらの行為が心理的虐待にあたると判断し県に報告しました。
市はその後、施設に対して虐待について保護者に説明することや、虐待防止研修への参加などの取り組みを行うように指示しました。
飯田市は問題の発覚からおよそ1年にわたって公表してきませんでしたが、これについて佐藤市長は「子どもの人権擁護につながるか慎重に考え、事情に応じて対応すべきだ」と話しています。
また、長野県は報告を受けたかどうかも明らかにしていませんが、阿部知事は4日の会見で「今後、県として公表の考え方を整理したい」と述べています。
一方、施設を運営する会社の代表はNHKの取材に対し「現時点でコメントできることはありません」と話しています。