27日の「国葬」 県と10市町村が半旗か弔旗を掲揚

来週27日に行われる安倍元総理大臣の「国葬」について、NHKは県と県内すべての市町村、それに教育委員会に当日の対応などについてアンケート調査を行ったところ、県と10の市町村が、当日、庁舎などに半旗、もしくは弔旗の掲揚を行って弔意を表明することが分かりました。

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐって世論の賛否が分かれる中、岸田総理大臣は「国葬」当日、各府省で弔旗の掲揚や黙とうによる弔意の表明を行う一方、地方公共団体への要望は行わないとしています。
NHKは、県と県内77すべての市町村、それに教育委員会に「国葬」当日の対応などについてアンケート調査を行い、すべてから回答を得ました。
その結果、庁舎や関連施設に半旗、もしくは弔旗の掲揚を行うと回答したのは、県と長野市、上田市、千曲市、諏訪市、南木曽町、佐久穂町、山形村、川上村、南牧村、南相木村の10の市町村でした。
このうち、長野市と佐久穂町は、安倍元総理大臣による「令和元年の東日本台風災害の復旧への支援」を理由に挙げ、南牧村と南相木村は、「日本の憲政史上最長となる首相在任期間」や「政治手腕や経済対策への評価」などとしています。
また、庁舎などで黙とう、弔旗や半旗の掲揚を行うか検討中としているのは6の町村と4の教育委員会で、このうち学校など関係各所にも弔意の表明に協力するよう要請するかどうか検討しているのは、上松町、軽井沢町とこれら2町の教育委員会、池田町と宮田村教育委員会でした。
一方、61の市町村と74の教育委員会は黙とうや半旗の掲揚などを行わないと回答しました。
理由として最も多かったのが「政府や国からの要請がない」でした。
このほか、「国葬」をめぐって世論が二分している、安倍元総理大臣に対する国民の評価が分かれている、政治的な中立性を保つためなどの理由を挙げています。

半旗の掲揚を予定している南木曽町の向井裕明町長は「東日本大震災があった日や中曽根元総理大臣の葬儀の時にも半旗を掲揚した。そうした流れの中で、安倍元総理大臣の国葬が国の公式行事であることを踏まえ、弔意を示すために半旗を掲揚する」と述べました。
また、「安倍元総理大臣の功罪の是非を問うとか、旧統一教会に対する現在の政府の見解を認めるかなどで判断したものではない」と述べ、町として安倍政権や現在の政府を判断材料にして決定したものではないことを強調しました。
半旗を掲げず、黙とうなども行わないとした高森町の壬生照玄町長は「本来、葬儀は故人に関係が深かった人が参列するもので、黙とうをするしないというのは町民の自由だ。旧統一教会の問題などで安倍元総理大臣に対する国民の意見が分かれている状態を考えると、自治体全体で弔意を示すというのは違うと判断した」と判断の理由を説明しました。
そして、みずからは安倍元総理大臣の功績を評価しているとした上で、国葬のあり方については「国葬にすべきかどうかを判断するのは国民だと思う。政治家に対する賛否は分かれることが多く、国全体で弔意を向けるのは難しい。どういった人を国葬とするのか根本的なルールを決めておく必要がある」と述べました。

今回のアンケートでは、安倍元総理大臣が演説中に銃撃されて死亡した事件の直後に、半旗の掲揚を行ったかについても聞きました。
当時、半旗の掲揚をしたのは千曲市、佐久市、諏訪市、川上村で、このうち佐久市だけは、「国葬」の当日には半旗の掲揚を行わないと回答しています。
理由について、佐久市は「銃撃直後は市民の大半が弔意を示そうと理解したことから、7月11日と12日の両日半旗を掲揚した。今は国民、大半の市民が弔意を示そうという空気ではないと判断したため」としています。

国葬をめぐっては、県内の団体からも実施に賛成、反対などさまざまな意見が出ています。
このうち、長野県商工会連合会は実施に賛成しています。
中村英雄専務理事は「安倍元総理大臣は功績を残した人だし、選挙期間中に凶弾に倒れたということもあるので、政府が国葬実施を決めたことは妥当だと思う。アベノミクスによって円高が是正され、株価も一時は3万円ぐらいまで上がり、経済に占める功績は大きい。国葬当日は厳かに静かにお送りしていくのが国民の努めだと思っている」と話していました。
一方、長野県弁護士会は、実施に反対で、撤回・中止を求めています。
中村威彦会長は「国葬というものが明確な法的根拠のないままに挙行されるということが最大の問題であって、その点が解消されないままなし崩し的に行われるとあしき前例となる。国家主体の葬儀となれば、自治体の中には同調する動きが出てくるだろう。故人に対する哀悼の意は個々人が判断するもので、圧力が加わったり、集団的に一定の方向に向けさせたりすることは明らかに間違っている」と話していました。