長野県の最低賃金 31円引き上げ 時給908円を答申

現在、時給877円となっている長野県の最低賃金について長野労働局の審議会は物価高騰などを踏まえ、過去最大の31円引き上げて時給908円とする答申を行いました。

最低賃金は、企業が従業員に最低限支払わなければならない賃金で都道府県ごとに異なり、厚生労働省の審議会は、今月に入り、長野県について、全国平均と同じ31円引き上げる目安を示していました。
この目安をもとに、労使の代表などが参加する長野労働局の審議会は、県内の最低賃金について物価高騰などを踏まえて目安どおり31円引き上げ、時給908円とする案をまとめました。
そして、5日、採決を行った結果、使用者側が反対したものの賛成多数となったことを受けて、時給908円とすることを労働局に答申しました。
引き上げは19年連続で、引き上げ額は昨年度の28円を上回り、最低賃金が時給で示されるようになった2002年度以降で最大です。
ただ、都道府県ごとの議論を経て目安どおり引き上げられると全国平均は時給961円となることから、長野県が全国平均を50円以上下回る状況は変わりません。
審議会の会長を務める倉崎哲矢弁護士は、「実質的な賃金の減少である物価高騰を重視したが、コロナ禍や原材料高に苦しむ企業には助成金などを整備してもらいたい。最低賃金の地域格差も来年度以降の検討課題だ」と述べました。
新しい最低賃金は、ことし10月1日から適用される見通しです。

最低賃金の大幅な引き上げについて、中小企業で働く人たちからは期待する声が聞かれました。
このうち、長野市で野菜や果物の卸売りなどを行う中小企業に勤務する60代のパート従業員の男性は、「いろいろなものが値上がりし、私たちパート従業員は生活が圧迫されている状況なので、最低賃金の引き上げに伴い賃上げしてもらえるのであれば助かります」と話していました。
一方、この会社ではおよそ50人の従業員の半数以上がパート従業員のため、コロナ禍や資材価格高騰で影響を受ける中で、最低賃金が大幅に引き上げられることは会社にとっては負担になりかねないということです。
人事担当者は、「最低賃金が2年連続で過去最大の引き上げ額となることは、人件費の大幅な増加につながり、その分、経費削減などの企業努力を求められているように感じる。今いる人数でなんとかまわし、新規採用を見送ろうとするデメリットもある。雇用の面などで、中小企業にも支援策を講じてほしい」と話していました。