クマのエサになるブナの実 岩手県は今年「並作」もクマ警戒を

林野庁東北森林管理局は、クマのエサとなるブナの実の県内のことし秋の実りについて、去年の「大凶作」から一転、ことしは「並作」になる予想だと発表しました。
一方で、「ことしも目撃情報が相次いでいるため、油断はせず、引き続き警戒してほしい」と呼びかけています。

東北森林管理局は毎年5月から6月にかけて国有林のブナの開花状況を調べています。

今年度、県内24か所で調査した結果、ブナの花が木の全体にたくさんついていたのは6か所、木の上部にたくさんついていたのが14か所、花がごくわずかについていたのが4か所、まったくついていなかったところはありませんでした。

こうしたことから、ことしの秋に予想されるブナの実の実り具合は、4段階ある評価のうち2番目にいい「並作」と予想しました。

昨年度は、岩手県を含む東北森林管理局の管内の5県すべてで「大凶作」となり、クマがエサを求めて人里に下りてくるなどして被害が相次ぎました。

クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所動物生態遺伝担当の大西尚樹チーム長は「去年より人里に下りてくるクマは減ることが予想できるが、ことしも目撃情報が相次いでいるため、油断はせず、引き続き警戒してほしい」と呼びかけています。