盛岡市民の台所 神子田朝市「自家製の漬物」多く販売終了へ

盛岡市民の台所として親しまれている神子田朝市で名物の1つとなっている「自家製の漬物」が食品衛生法の改正にともなって来月から多くが姿を消すことになり、最後の日となった31日はなじみの人たちが訪れて別れを惜しみながら買い求めていました。

盛岡市の神子田朝市ではさまざまな食品などが売られていますが現在、およそ15の店が販売している「自家製の漬物」も名物の1つです。

これまでは漬物の製造や販売に特別な許可などは必要ありませんでしたが6月から、食品衛生法の改正にともなって専用の作業場や換気設備などを整備することなど、衛生基準を満たした上で保健所の許可をとる必要があります。

「大根のがっくら漬け」や「きゅうりのラー油漬け」などの漬物をおよそ10年にわたって販売してきた熊谷恵美子さん(76)は、法律の基準を満たす設備を整えることは難しいと考え31日で引退することを決めました。

熊谷さんは31日朝も午前5時前から準備を進め神子田朝市でおよそ2時間にわたって漬物を販売していて、訪れた、なじみの客は別れを惜しみながら買い求めていました。

熊谷さんは「設備を整えるのは難しく辞める決め手になりました。朝市で販売できて幸せでした」と話していました。

岩手県内では31日午前10時までに漬物製造に関わる276の事業者が許可を取得したということですが神子田朝市で1日からも販売を続けるのは2店舗にとどまるということです。