洋野町の養豚場でCSF=豚熱 約1万7500頭の処分進む

洋野町にある養豚場でブタの伝染病、CSF=豚熱の感染が確認され、飼育されているおよそ1万7500頭の処分が進められています。
県は作業は順調に進んでいるとしています。

洋野町の養豚場ではブタ11頭から伝染病のCSF=豚熱の感染が確認され、県は28日夜から養豚場で飼育されているブタおよそ1万7500頭すべての処分を始めました。

県内の養豚場で飼育されているブタの豚熱の感染が確認されたのは初めてです。

県は29日、処分作業の様子を写した写真を公開しました。

これまでのところ作業は順調に進んでいるということですが、進捗状況についてはまだ公表できる段階ではないとしています。

県内ではすべての養豚場で豚熱のワクチン接種が行われていることから、今回はブタの移動制限や消毒ポイントの設置などは行っておらず、これまでのところ、ほかの養豚場での感染も確認されていないということです。

県はまん延防止措置の徹底と発生原因の調査を進めたうえで、▽豚熱はブタやイノシシの病気であり人に感染することはなく、▽感染したブタの肉が市場に出回るおそれもないとして、県民に、消費を控えるなど過度な対応は行わないよう呼びかけています。


【CSF=豚熱とは】
CSF=豚熱は、豚熱ウイルスによって引き起こされるブタやイノシシの伝染病で、強い伝染力と高い致死率が特徴です。

県は人に感染することはなく、市場には検査に合格したブタの肉のみが流通するため、感染したブタの肉が市場に出回るおそれはないとして県民には消費を控えるなど過度な対応は行わないよう呼びかけています。

豚熱は治療法がありませんがワクチンが有効で、県内ではすべての養豚場で豚熱ワクチンの接種が行われています。

県内の養豚場で飼育されているブタへの感染は今回が初めてで、感染した経路などはわかっていませんが、農林水産省では養豚場のブタへの感染を防ぐためには野生のイノシシと養豚場のブタとの接点を断つことが重要としています。

県内では、おととし4月に捕獲した野生のイノシシから初めて感染が確認され以降、今月23日までにあわせて163頭のイノシシで豚熱が確認されています。

岩手県は、野生のイノシシで豚熱の感染が確認された場所から半径10キロメートル圏内を「感染確認区域」としてホームページなどで注意を呼びかける一方、野生のイノシシから養豚場のブタへの感染を防ぐためワクチンが入ったビスケット状の餌を山林の地中に埋めるなどの対応を進めています。

また農林水産省は豚熱ウイルスの拡散を防ぐため登山者やキャンパーもふくめて山林で作業する人に対し、(1)靴の泥は山で落とす、(2)残飯を持ち帰る、(3)家畜がいる施設に近寄らないよう、呼びかけるとともに、イノシシの死体をみたら管轄の自治体に連絡するよう呼びかけています。